KUSANAGIのプロビジョニング


目次

  1. KUSANAGI の初期設定
  2. KUSANAGIのプロビジョニング
  3. WordPressのインストール


KUSANAGIのプロビジョニング

初期設定ができたら、KUSANAGIでWordPress などを使用するためのプロファイルを作成します。

これにより、Webサーバの設定ファイル、MySQLのデータベースや、ドキュメントルートなどがプロビジョニング(配置)されます。

KUSANAGI では、WordPress(デフォルト)、Concrete5、Drupal8、LAMP をプロビジョニングできます。

  1. kusanagi provision コマンドの実行

    KUSANAGIのプロビジョニングは、以下のコマンドを使うことができます。
    オプションを指定しない場合は、WordPressがデフォルトでインストールされ、必要な設定は対話式で選択していきます。

    kusanagi provision

    プロビジョニングの種類

    KUSANAGIでプロビジョンするタイプを[options]に指定することで、インストールするアプリケーションを選ぶことができます。

    • --WordPress を指定すると、WordPress をプロビジョニングします。
    • --concrete5 を指定すると、Concrete5 をプロビジョニングします。
    • --drupal7 を指定すると、Drupal7 をプロビジョニングします。
    • --drupal8 を指定すると、Drupal8 をプロビジョニングします。
    • --lamp を指定すると、LAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP) もしくは LEMP(Linux+NGINX+MySQL+PHP)で使用するための設定のみをプロビジョニングします。
    • --rails を指定すると、Ruby on Rails をプロビジョニングします。この時のプロファイル名はRailsのプロジェクト名として有効な名前である必要があります。
    • --WooCommerce もしくは --wooを指定すると、WordPress と同時にWooCommerceプラグインとStoreFrontテーマをインストールします。

    WordPressをデフォルトでインストールする場合は、下記の様に指定します。
    入力例)# kusanagi provision kusanagi_html

    上記の例では /home/kusanagi/kusanagi_html/というディレクトリが作成され、この中にドキュメントルートが作成されます。WordPressのインストールに必要なデータが格納されます。
    オプションを指定しない場合は、WordPressがデフォルトでインストールされます。


    オプションを指定する場合は、下記のように指定します。
    入力例)# kusanagi provision --WordPress kusanagi_html
    入力例)# kusanagi provision --concrete5 kusanagi_html

    # kusanagi provision --WordPress kusanagi_html

    以下のように表示されますので、そのまま次へ進みます。
    ターゲットディレクトリは /home/kusanagi/kusanagi_html です。
  2. WordPressの言語選択

    プロビジョニングタイプにWordPressを選んだ場合は、WordPressのインストール時の言語選択を行います。
    対話形式で en_US か ja を選択します。

    WordPress のインストールで使用する言語を選択してください。
    1 : en_US
    2 : ja

    q : 終了

    どれを使用しますか?:

    言語選択した結果、下記のように表示されます。

    ja を選択しました
  3. ホスト名の設定

    作成するプロファイルで使用するホスト名(FQDN) を入力します。

    Webサイトで使用するホスト名(FQDN)を入力してください。 例) kusanagi.tokyo
    www.example.com

    当マニュアルではWordPressのURLを https://www.example.com で利用する場合を例としております。
    ※http://や末尾の/は不要です。

    ホスト名を入力すると次のように表示されるので、確認用として同じホスト名を再度入力します。

    Webサイトで使用するホスト名(FQDN)をもう一度入力してください。
    www.example.com
  4. Let’s Encryptの設定

    指定したホスト名に対応するLet’s EncryptのSSL証明書を発行します。
    Let’s Encryptは認証局(CA)として「SSL/TLSサーバ証明書」を無料で発行するプロジェクトです。
    詳細は 公式サイト をご覧ください。
    メールアドレスを入力することでLet’s Encryptの使用に同意したことになります。

    Let’s Encryptを設定する場合は、以下のメッセージが表示され、対話的にEmail アドレスを指定します。

    メールアドレスを入力します。
    例:kusanagi@example.com

    Let's Encryptを使用される場合、Let's Encrypt の使用規約に同意される必要があります。
    使用規約に同意される場合、あなたのメールアドレスを入力してください。同意されない場合、Enterキーを二回押してください。
    使用規約は次のURLより確認できます: https://letsencrypt.org/repository/
    kusanagi@example.com

    入力すると次のように表示されるので、確認用としてメールアドレスを再度入力します。

    メールアドレスを再入力してください。
    kusanagi@example.com

    Let’s Encryptを使用しない場合は、入力は行わず空のまま2度エンターキーを入力してください。
    ※ Let’s Encryptは、ドメイン認証によるSSL/TLSサーバ証明書です。利用するには、認証の仕組み上、取得するFQDNの名前解決ができること、httpのアクセスに認証がかかっていないことが必要です。
    また、Let’s Encryptのドメイン単位での利用制限が定められており、仮想マシン作成時にクラウドより付与されるDQDNは利用できません。
    ※ Let’s Encryptは、プロビジョニング完了後でも kusanagi ssl コマンドにて、設定することが可能です。詳しくは、kusanagi ssl のドキュメント を参照してください。

  5. データベース名の設定

    データベース名を設定します。
    例:wordpress_db

    任意のデータベース名を入力してください。
    wordpress_db

    データベース名を入力すると次のように表示されるので、確認用としてデータベース名を再度入力します。

    データベース名を再度入力してください。
    wordpress_db

    ※ここで設定したデータベース名は後ほど WordPress のインストール設定の際に使用します。忘れないよう控えておいて下さい

  6. データベースのユーザー名の設定

    5で作成したデータベースのユーザー名を設定します。
    以下のメッセージが表示されるので対話的に任意のユーザー名を入力します。
    例:kagoya

    データベース wordpress_db のユーザー名を入力してください。
    kagoya

    ユーザー名を入力すると下記のように表示されるので、確認用としてユーザー名を再度入力します。

    データベース wordpress_db のユーザー名を再度入力してください。
    kagoya
  7. データベースユーザーのパスワードの設定

    5で作成したデータベースユーザーのパスワードを設定します。
    以下のメッセージが表示されるので、対話的に任意のパスワードを入力します。
    パスワードは8文字以上、利用可能な文字列は [a-zA-Z0-9.!#%+_-] です。

    データベースユーザ'kagoya'のパスワードを入力してください。[a-zA-Z0-9.!#%+_-]の文字列が使用できます。最小は8文字以上です。

    入力すると下記のように表示されるので、確認用としてパスワードを再度入力します。

    再度 'kagoya' のパスワードを入力してください。
  8. プロビジョニングの完了

    「7. データベースユーザーのパスワードの設定」が完了すると、WordPressの場合には下記のように表示されます。

    --2020-12-22 09:59:52-- https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
    ja.wordpress.org (ja.wordpress.org) をDNSに問いあわせています... 198.143.164.252
    ja.wordpress.org (ja.wordpress.org)|198.143.164.252|:443 に接続しています... 接続しました。
    HTTP による接続要求を送信しました、応答を待っています... 200 OK
    長さ: 17782444 (17M) [application/octet-stream]
    ´wordpress.tar.gz' に保存中

    100%[==================================================================================>] 17,782,444 3.71MB/s 時間 4.7s

    2020-12-22 09:59:57 (3.57 MB/s) - ´wordpress.tar.gz' へ保存完了 [17782444/17782444]

    これでプロビジョニングは完了です。
    ※ サイズやアドレス等はWordPressのバージョンなどによって変わります。また、CentOSの言語設定によっても表示が変わります。

    Let’s Encryptの設定を行っていた場合には以下のような表示も行われます。

    IMPORTANT NOTES:
    - Congratulations! Your certificate and chain have been saved at:
    /etc/letsencrypt/live/www.example.com/fullchain.pem
    Your key file has been saved at:
    /etc/letsencrypt/live/www.example.com/privkey.pem
    Your cert will expire on 2021-03-22. To obtain a new or tweaked
    version of this certificate in the future, simply run certbot-auto
    again. To non-interactively renew *all* of your certificates, run
    "certbot-auto renew"
    - If you like Certbot, please consider supporting our work by:

    Donating to ISRG / Let's Encrypt: https://letsencrypt.org/donate
    Donating to EFF: https://eff.org/donate-le

    最後に以下のような表示がされていればプロビジョニングは完了です。

    証明書の自動更新を有効にします
    kusanagi_html のプロビジョニングは完了しました。www.example.com にアクセスし、WordPressをインストールしてください!
    完了しました。
    新しいメールが /var/spool/mail/root にあります

⇒ WordPressのインストール

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